ボールマークの修復 “ゴルフマナーの基本”
- 2017/08/27
- 16:10

ボールがグリーンにダイレクトにキャリーして乗った場合、グリーン上にはあなたのものが2つあるのはわかりますよね。
ボールそしてボールマークです。
硬いボールを空中高く飛ばしグリーンに落としたのだから、その衝撃でグリーン面は凹みボールマークがつきます。ピッチマーク、ボールの落下跡など言い方は人それぞれです。自分が傷めた跡が、グリーンに上がりながら気にならないようでは、ゴルファーとして気づきの能力に欠けます。ゴルフ規則第1章で「球の衝撃によってパッティンググリーン面にできたボールマークを入念に直しておくべきである。」と義務付けられるまでもないことです。
第4のウェッジ“グリーンウェッジ”は必携品
バンカーでサンドウェッジとレーキという二つの道具が必要なように、グリーンでも二つの道具が必要になります。ボールにはパター、そしてボールマークにはグリーンフォークです。
グリーン上にはボールマークを修復しない人の忘れ物が多いです。なぜ忘れるのか?パッティングという次のスリリングな仕事に気を取られてしまうからだと想像できますが、それよりももっと大きな理由があります。そもそもポケットにグリーンフォークを持たずにプレーをする不用意です。
グリーンフォークは1本必ず携帯しなければいけません。ピッチングウェッジ、アプローチウェッジ、サンドウェッジに並ぶ第4のだいじなウェッジ、グリーンへのウェッジ、称して“グリーンウェッジ”と呼びたい必携品です。
しばしばロングティでボールマークを直している人がいますが、それもダメです。芝をかき混ぜ、芝の根を切って一時的に凹みを埋めているにすぎません。ゴルフ規則第1章がいうように「入念に」は修復できません。グリーンフォークのように簡単に、上手にはできません。
心得たゴルファーは、グリーンに上がっていくとき、無意識のうちにポケットの中でグリーンフォークを手にしています。プロのように強烈なバックスピンをかけてボールを戻さないかぎり、ボールマークはボールの手前にあります。ボールマークはわざわざ探して直しにいくものではなく、ボールに向かって歩いていく途中にあるものです。
ボールマークは次の仕事、パッティングに役立ついろいろな事を教えてくれます。ボールマークとボールが止まっている地点とを線で結んで推理してみると、グリーンがどのくらい速くて、落ちてからアンジュレーションのためにどっちに切れて転がったか、さらには凹みの深さでグリーンがどのくらい柔らかいか、などを知る手掛かりとなります。
人が直し忘れたボールマークも直そう
プレー中は、余裕のある人とない人、何かをできる人とできない人がいます。余裕のある人はない人のために、何かをできる人はできない人のために、すべき仕事をしなければいけません。グリーン上には自分のもの以外に、誰か余裕のない人が直し忘れたボールマークがあります。できる人ができるときに見つけて直しましょう。グリーン上での段取りを要領よくやれば、誰にでも二つや三つ直すぐらいの時間があります。ひとりが二つ、三つ直すようにすれば、忘れ物のボールマークはグリーンからあらかた消えます。
ボールマークの修復は気持ちのいいものです。芝生というものは良くできていて、深く大きな凹みでもグリーンフォークで上手に修復してやると跡形もなく消え、きれいないい顔になって直してくれた人の好意に応えてくれます。芝生という生きものと、そんなやり取りができるゴルファーは幸せで、気持ちも落ちつき、プレーの上でもプラスになります。
グリーンフォークの使い方
ボールマークの修復は凹みをただ平らに戻せばいいのではありません。芝の根を切らないで、というのが条件になります。そのためのグリーンフォークの使い方があります。
①かき寄せ式が原則
修復の方法は芝の種類や凹みの深さによって多少異なりますが、原則は芝のかき寄せ式がいいです。土砂を横移動させるので、地中に縦方向にのびている芝の根を切らないですみます。

②かき寄せ式の要領
グリーンフォークをボールマークの外側に、やや斜めに差し込み、凹みの中心にかき寄せます。周囲3・4方向ぐらいからかき寄せ、芝がグリーン面よりほんの少し盛り上がり気味になったら、パターのソールで平らにおさえます。
パターが手もとになくて、靴底で踏みおさえる人がたまにいますが、それではパターでやるようにうまくフラットに、入念には仕上がりません。グリーンに上がるときはキャディではなく、自分の手でパターを手に持つように心がけましょう。
③深く大きな凹みの場合
雨の日など柔らかいグリーンの場合は、凹みが深く大きくなります。その分、多めにかき寄せる必要があります。グリーンフォークを深めに差し込んで大量にかき寄せます。当然その分、グリーンフォークの裏側に大きなすき間ができます。そこで、一度かき寄せたその外側から二重・三重にかき寄せてすき間を埋めます。
④めくれ上がった凹みの場合
グリーンが水分をたくさん含んでいて柔らかく、ボールが勢いよく斜めに突き刺さるように落下した場合のボールマークは、上から見ると楕円形の凹みになり、横から見ると前方の芝がめくれあがってしまいます。そのような場合は、めくれ上がった芝を注意深くそっとのばして、それから左右両側から芝をかき寄せます。
⑤掘り起こし式は要注意
勘違いしている方が非常に多いのですが、図のようにグリーンフォークを掘り起こすように持ち上げると、芝の根を切ってしまうので適切ではありません。その場では一見、平らに修復できたように見えても、後日そこだけが枯れて、グリーン面に茶色く枯れたスポットができてしまいます。

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