「肩」を回すよりも「鳩尾」を回すことを考えよう
- 2017/06/10
- 14:30

ゴルフのレッスン書では、「ボディターン」という言葉がよく使われます。「ボディターンを使え」「手打ちよりもボディターンがいい」といった具合です。
でも、ボディターンって一体何でしょうか。よく考えてみれば、実に曖昧な言葉ですよね。
ボディターンと並行して、「肩を回せ」も、耳にタコができるくらい聞かされています。ですから、「ボディターン=肩の回転」と混同されてしまいがちです。
ボディを直訳すれば「体」ですが、私はこれを「胴体」、つまり、体の中枢の部分と解釈しています。具体的には前述したとおり、腹筋や背筋、お尻周り、モモなどの体幹部です。
骨盤の前傾と、骨盤の旋回によるヒップターンが、スイングの動力となることは前にも説明しましたが、ヒップターンを主と考えるなら、肩よりも骨盤の動きに目を向けるべきです。
肩の回転を第一に考えると、バックスイングで下半身をじっと止めたままで肩を一生懸命回そうとしたり、ダウンスイングの始動でいきなり肩の回転から戻そうとしたりするなど、様々なエラーが起こりやすくなります。
それに肩は腕と連動していますから、肩の回転を主とすると、結果的に手打ちを招きやすいという弊害もあります。
“鳩尾の回転”がヒップターンをスムーズにする
骨盤を前傾させてアドレスし、骨盤のクネクネ運動の要領で左右に旋回させるのがヒップターンですが、腰の全体を回すというよりも、骨盤を上下動させるイメージで動かすのがポイントです。
腰椎が動かされ、胸椎、頸椎という順で下から上に向かい、体が螺旋状に捻られて、肩甲骨のスライドが発生し、結果的に肩が回転するのです。肩を意図的に回す事で腕を振るのではなくて、「ヒップターンによって、肩の回転と腕の振りが“自動的”に行われる」と考えてください。
それでも、骨盤を旋回させるイメージがどうもつかめないというゴルファーもいることでしょう。そんな人たちには、私は「ヒップターンの代わりに、鳩尾(みぞおち)を回してみてください」とすすめています。
背骨と骨盤のラインが真っ直ぐとなるようにアドレスの姿勢をつくり「テークバックでは鳩尾を右に回す」ことを考えます。分かりやすく言えば、胸を目標と反対側に90度回すイメージです。
鳩尾は、骨盤と肩のちょうど中間の部分ですから、鳩尾を回すことでヒップターンが自然に行われて、肩もスムーズに回りやすくなります。
そして、トップスイングからダウンスイングへの「切り返しでは鳩尾を左側にターン」させます。この場合も骨盤が自動的に左に旋回し、フィニッシュでは胸が目標を指すくらいまで体が回転してクラブをしっかりと振りきれます。
プレッシャーを感じた時などは、肩を回そうとすると下半身が動きにくいものですが、鳩尾を回そうと思えば下半身が上手く連動し、スイング全体のバランスが良くなります、ぜひ試してみてください。
ヒップターンが難しいようなら、骨盤と肩の中間部である鳩尾を回すことを意識してみましょう。プレッシャーにも動じないスイングが身に付きますよ。
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