練習場ではうまく打てるのに、コースではダメな理由
- 2017/05/30
- 13:28

「練習場では、アイアンショットがきちんと打てるのに、コースではダフリやトップの連発でさっぱり当たらない・・・」そんな風に嘆く人が、案外多いものです。
うまく当たらないと、クラブヘッドをきちんと入れようとして、ミスショットがますますひどくなるばかり。これではスコアメイクどころではありません。
コースに出たときも、練習場と同じスイングを実行しているのに、なぜこうした現象が起こるのでしょうか。それは、練習の仕方を間違えているからです。
練習場のマットにもフカフカ状の人工芝から、ツルツルで表面が固いもの、マットの中心が凹んだものなど様々な形態がありますが、コースの芝よりも固く感じられ、クラブヘッドが滑りやすいマットが一般的です。
これはどういう事かと言うと、ボールの手前をダフっても、クラブヘッドがマットの表面をすっと滑り、まずまずのグッドショットになりやすいのです。
「おっ、いい感じだな」と自分では思っていても、実際は、ダフリやトップを生み出すような間違った動きになっています。要するに、「ダフっているという自覚症状がない」のです。
アイアンは「ハーフトップ」気味が本当のナイスショット!
大半のゴルファーはきちんと当てたいがために、「クラブヘッドをボールの真下に通そう」「リーディングエッジをボールの下に入れよう」と考えています。これがそもそもの勘違いです。
アイアンショットのメカニズムを説明しましょう。
ボールを地球にたとえて「赤道」をイメージしてください。そして、フェースの刃を赤道の少し下に入れるイメージでクラブを振り下ろします。
「それでは、トップするのでは?」と思うかもしれません。でも、違うのです。多くのゴルファーはボールが高い角度で上がって、きれいな弾道で飛んでいくアイアンショットを想像したがりますが、プロや上級者たちはそのようなきれいな球を打とうとはハナから考えていません。
この動画は丸山茂樹プロの7番アイアンのショットをスローでとらえた動画です。後ろからのアングルだと高い弾道に見えますが、横からのアングルでのボールの打ち出し角に注目してみてください。
どうですか?あなたのイメージする7番アイアンの打ち出し角と違いませんか?
アンアンショットのイメージは「ハーフトップ」です。ボールの打ち出し角が低めのライナー性の当たりと言っていいでしょう。
意図的に「ダウンブローに打とう」などと思わなくても、ボールが芝の上にある以上、必然的にクラブを上から下に振り下ろさなくてはなりませんから、フェースの刃が赤道よりも少し下に当たった後もクラブヘッドは下降を続けます。その下降によってフェース面とボールに摩擦が起こり、バックスピンがかかります。さらにスイング軌道の最下点がボールの少し先となり、結果的にターフが薄く取れます。
ですから、練習場で上級者など上手い方のアンアンショット見ると「コーン!」という乾いた音がします。ハーフトップで打っているのですから。それでもコースの芝で打つと、厚いインパクトとなって、しっかりとした打球音となります。
練習場で「バシッ!」という手応えのありそうな音を立てていても、コースでは「ドン!」となってしまいます。ましては練習場で「ドン!」なんてもってのほかです。
ボールの30cm後方にコインを置いてチェックしよう
自分でダフっているかどうかわからない人は、練習場のマットでチェックしてみましょう。ボールの飛球線後方30cmにコインを置き、実際にボールを打ちます。高い球を打ちたがる人に限って、ダウンスイングでコックが早くほどけたり、右肩が下がったりして、クラブヘッドがコインに当たってしまいます。
また、LやLLなどのゴムティを使い、ティアップを高くして打つ練習も有効です。ダフリやトップがよく出る人は、大抵はアッパー軌道になっていますから、ボールがなかなかフェースの芯に当たりません。
マットの上にボールを置いても、高くティアップしても、クラブヘッドを同じ角度から振り下ろして、ボールを同じ角度で打ち出すのが本当の練習です。
ハーフトップを打つイメージによって、スイング中の体の上下動が抑えられます。さらに、アドレス時の胸とボールの間隔をインパクトでも再現でき、ミート率も上がります。
リーディングエッジと呼ばれるフェースの刃を、ボールの少し下に入れましょう。そのままクラブヘッドは下降を続け、ボールにきれいなバックスピンがかかります。
また、ボールの30cm後方に置いたコインに、クラブヘッドを当てないように打てるかどうかテストしてみましょう。コックが早くほどけると手前をダフります。
“ハーフトップ”気味に打つ練習がアンアンショットの上達に直結しますよ。
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